月刊トラックランドONLINEとは

中古トラックのレンタル・リース・買取・販売をお考えならトラックランド。 トラックランドが隔月で発刊している、月刊トラックランドのオンラインサイトです。 これまで発刊した本誌がオンラインでも読めるようになりました。 ユーザーインタビュー、お客様への納車後インタビュー、働くお客様の活躍、はたらくクルマコラム、まなびのコラムが読めるようになっています。コンテンツごとに分かれています。オンラインでしか読むことができない中古トラックや交通にまつわる豆知識やトラックランドに関するお得な情報をお届けいたします。 月刊トラックランド本誌の定期購読手続きもできるので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

0120617417

ユーザーボイス

遠州トラック株式会社
代表取締役社長澤田 邦彦 氏

本  社:〒437-0046 静岡県袋井市木原627-3
上場区分:東証 JASDAQ 市場(証券コード9057)
物流拠点:全国20カ所(本社含む)
設立:昭和40年8月16日
事業内容:一般貨物自動車運送事業、貨物利用運送事業、倉庫業、不動産売買等
従業員数:1,300名
車両保有台数:約650台
転貸車両:三菱ふそう大型アルミウィング6台(令和3年4月27日〜令和4年4月26日)


遠州トラック株式会社 代表取締役社長 澤田 邦彦氏
          ×
株式会社タカネットサービス 代表取締役社長 西口 高生

トップ対談 『物流業界の未来を考える』

―お2人の出会いは?

澤田邦彦社長(以下、澤田):出会ったのは15年くらい前ですね。共通の友人の縁で何度か顔を合わせていました。ここ数年、取引のある大手企業様からの仕事が増える中で、車の使い方を工夫しなければと考えていたんです。東京―大阪間を365日フルにやっていたら車もガタが来る。トラックは一般的には10年100万キロと言われているけど、うちの車はその走行ペースでやっていたら4年程で100万キロになっちゃう。もっと良い方法で車を運用できないかと西口さんに相談したら、たまたま西口さんも同じことを考えていたんですよ。これからの物流はこうあるべきだ。私もそういうことをしていきたいと、ちょうど歯車が合ってね。一緒に仕事をする機会はこれまで少なかったんですが、15年来の経緯があるからすぐにギアが入りました。性格的に私はあまり慎重派じゃない、拙速に動きたいタイプ。そういう意味では西口さんもすぐに結果を求めるタイプだからね。話は早かったですよ。
西口高生(以下、西口):澤田社長は非常にユーモアに溢れた人。初めてお会いした時から上場企業の社長っぽくないなと(笑)その印象は今でも変わらないですね。
実は澤田社長と話をするちょうど2日前に、ある大手企業様に新規事業の提案をしたばかりだったんです。コロナ禍においてネット通販の需要が増える中、いろんなコストを削減していかないといけない。
その中でいかにサービスを提供していくか。タカネットサービスは1年、2年で車をローテーションしているので1番効果的な車両の運用方法を提案できる。コストパフォーマンスを上げるために理に叶った車の乗り方を考えていきましょうと話をしたばかりだったんです。
その2日後に澤田社長からのあまりにもピンポイントの話で、誰から聞いたの?もしかして何処かから話が漏れた?と思うくらいのタイミングでしたね。たまたま同じような事を荷主様から要求されている時期だったんですよね。そこで「遠州トラックさんがやるならお手伝いしましょう」と。澤田社長はその場で即決だから、その後の展開も早かったですね。この4月末、本社に三菱ふそう大型アルミウィング2台を納車し、各営業所へも順次8台を納車させて頂きました。


※コネクトエリア浜松・敷地面積:約7,133㎡(約2,150坪)、30バース設置。ドライバー交替やトレーラー交換などを可能とするスペース。2018年10月オープン

―いま求められている物流業界の役割についてお聞かせください

澤田:うちは東京―大阪のちょうど中間地点にあるので、この強みを最大限に生かすべきだと考え、3年前に新東名高速の浜松サービスエリア(下り線)に中日本高速道路株式会社(NEXCO中日本)との共同事業で中継物流拠点“コネクトエリア浜松※”を設置しました。これによりドライバーは折り返し運行が可能になるので働き方改革へも繋がります。
今回、荷主様からの依頼が増えたというのも、うちはその輸送機能があるから受託できたんです。運送会社は全国に6万2千社もあって言われたことをやっているだけでは芸がない。当社でなくてはできないという仕事をしていかないといけないし、浜松が拠点であるという利点を生かしていかないとね。

西口:おっしゃる通りですね。現在の物流業界でBtoBの輸送をやっている所はアゲインストの風が吹いていると思います。澤田社長の会社は通販物流ができる能力を持っています。元々の路線物流は夕方に集荷して大型トラックに積み、それを拠点に配送して小型トラックに積み替えて届ける。人と車両を積み替えるために1日のズレが発生します。今はベッドの中で頼んだものが1時間後にはピッキングされているような時代でしょ。世の中は多頻度配送という流れになっているので、その能力を持っている企業が生き残っていく。遠州トラックさんは浜松というロケーションが良かったこともあるし、上場されているという事が大手荷主様の信頼感にも繋がった。時代の流れがきてますよね。

澤田:トラックを持ち、ドライバーも抱え、倉庫も持つ。私が社長である限りこのスタイルは変えないつもりです。アセット(資産)を持つ会社が最後は残ると思う。これだけドライバー不足と言われているけど、雇用環境をどう整えるのか。ドライバーの居心地の良さをどれだけ充実させるかということがアセット会社の生き残るポイントだと思うし、そこを充実させないと生き残れない。今は過渡期ですよね。コロナが終わったら猛烈なV字を描いて経済は活性化していく。今は供給過多で需給バランスが弱いからトラックの手配はできるけど、経済が動き出したらトラックは争奪戦になります。そうなったときに自社の車両があるというのはかなり強いですよね。私がこのスタイルを変えないのは作業会社で生きていくという気持ちがあるからです。

西口:20年くらい前はアセットを持たない運送会社が勝ち組でしたね。雇用問題や設備、車両など、儲け以上にリスクも大きいからアセットを持ちたがらない会社が多かった。方や遠州トラックさんは地元に根ざした会社で倉庫業も広く運営されています。資産の所有は固定資産税がかかるので、倉庫が空だったらどうする、所有する車両の維持管理はどうする、とリスクも常に抱えています。でも、それをしっかり管理してこられた。荷主様から急に明日運んでくれ、となった時にも車両を持っている所は動ける。20年が経って車両を持たない運送会社は明日の仕事を取るのが非常に難しくなってきた。社長が仰っているのは僕も同じ考えで、これからはアセットを持つ運送会社が必ず強くなりますね。

澤田:2019年に台風19号の影響で茨城県の川が氾濫し鉄道が寸断された事がありました。この時に、ある大手企業様から北海道へ商品を運べなくなり何か方法は無いかと相談があったんです。困っているんだったらすぐに車を出しましょうと即決しました。現場からは、毎日5台のトラックが北海道までの4日運行になると20台も車両が出ることになる。袋井エリアの車両がそんなに抜けるのは厳しい、との声もあったんですが、静岡県内にうちの営業所がいくつあるんだ。“オール遠州トラック”でやればいいじゃないかと。舞鶴からフェリーで半月間、毎日5台を北海道へと出しました。その企業様とは今後10年も20年も関係が続く。荷主様が本当に困っている時に、我々物流会社がどう向き合っていくのか。どう動けるのか。「これがうちの姿勢です。御社と本気で向き合うので自社の車両を毎日出します」これが心意気なんです。困難に直面した時の見極めが経営者として求められる資質であると考えます。

―遠州トラック入社は24歳ごろだそうですね。そのきっかけは?

澤田:私は野球少年でした。創業者の豊田順介(とよだじゅんすけ)会長も無類の野球好きで。当時、私はセメント販売店にいて遠州トラックはその取引先だったんですが、私が野球をやっていたことが豊田会長の耳に入り遠州トラックの野球チームにお世話になりました。試合後には豊田会長がメンバーを自宅に招いて食事を振る舞ってくれるんですが、私のことを特に可愛がってくれて「澤田くんは残りなさい」ということもよくあったんです。ある時、将来は起業してみたいという思いを伝えると、それならうちへ来なさい。独立採算でやればいいと話を頂いたので、思い切って転職を決意しました。これが24歳の時です。入社したものの何もないところに放り出されましたね。自ら開拓して来いと。現金200万円を持ってトラックを購入しドライバーも自分で探しました。徐々に取引先が増え、トラックも1台、2台と増えていったんです。ある時、豊田会長から「年商5000万円になったら取締役にしてあげるよ」なんて話があって。酒の席だったので本気にしていなかったんですが、入社5年で達成し取締役に就任しました。次のステップで上場できたら代表権あげると言われていて、厳しい条件はあったのですが荷主様にも恵まれて37歳でクリアしました。何もできい中で全部が勉強でしたし、1995年に上場する最後の追い込みは眠れない状況でしたが、それもあまり苦にならなかったですね。野球少年だったから体力はありましたし。42歳ごろに豊田会長が次のバトンを渡すのは君だって言ってくれましてね。2001年に代表取締役社長に就任しました。
豊田会長に巡り会えたというのが、私の人生1番のチャンスでしたね。恩師、友人、生きていく中で何人か巡り合わせの機会がある。それをチャンスと捉えられるかどうか。転職の時に親や兄弟の反対を押し切って豊田会長に賭けたんです。今は自分のスタイルを信じて進むだけ。このやり方が物流業界のスタイルとして合っているかどうかは分からない。でも今は自分が考えていることが正しいと信じて、いくつになってもチャレンジする。それが失敗だったらやり直したらいい、切り替えてね。やらなかったら失敗しないけど成功もない。豊田会長からいつも言われていた事は「なにしろ前を向け!いつまでも後ろ向きな事を考えているな!」という言葉でした。その教えは常に私の頭の中にありますね。

―これからの遠州トラックに思うことはどのようなことですか?

澤田:去年、創業55周年を迎えました。この時に従業員に色々してあげようと袋井の花火大会に合わせて企画をしたんだけどコロナで全部流れてね。そこで、会社オリジナルのどら焼きを作って社員1,300人いる社員全員に配りました。賞金付きにしてね。開けると裏側に、特賞55万円を1本。55,000円を20本。5,500円を50本。みんなに楽しんでもらいたくて記念のジャンパーやTシャツも作りましたよ。今年のスローガンが『現状打破』だから、Tシャツに“DAHADAHA”という文字と野球ボールとバットをデザインして作りました。こちらはあまり着てもらえなかったけど(笑)
前職のセメント販売店は従業員が3万人もいるような規模の会社でした。この時、一生懸命やっていても自分はどこで評価してもらえるのかなとずっと考えていたんです。歯痒かった。転職をして本当に良かったと思うのが、豊田会長が評価してくれた事ですね。倉庫で汗だくになって作業してると会長が後ろで見ていて「澤田くん大変だな」なんて声をかけてくれました。自分をちゃんと見てくれているという心地よさを感じることができたんです。
私は現場に行くときに事務所に直接行かないんですよ。先に倉庫などを見て、トイレなんかが汚れていたら作業を止めさせて全員集めてトイレが汚いのは許せんって注意するんです。お客さんに見えない部分の清掃が行き届いている会社だからこそ、ここの倉庫に預けてやろうって思うんだと。そうすると大体、責任者が掃除をやり出すんですけど、その後に「それをやるのは我々の仕事ですからと当番制にしましょう」と現場から声が上がってくる。それを誰が言ったか報告するようにと指示して帰るんです。そんなことを考えてくれる人が次なるリーダーであるべきだし、そんな心意気で仕事をしてもらいたいからね。豊田会長は私の日頃の仕事を見て引き上げてくれましたから、私も見ていてあげたいと思うんです。評価されるべく人が評価されてその位置にいる。私はこの先も、年齢とか関係なく一生懸命やっている社員が報われるような会社にしたいと考えています。

澤田:50周年の時に『原点回帰』をスローガン掲げて事業を見直したんです。本来、当社がやるべきことを見つめ直しました。静岡は、西は湖西、東は伊豆半島の先までと結構広い。これを1社で全域配送網羅できるってなかなかないですよ。なのでもう一度、静岡県内でネットワークを充実させていく。静岡で強いということを全面に出していく。それが『原点回帰』です。人が育ち、事業が充実してきたら次のステップに進む。身の丈にあった展開をしていこうと思っています。
この先30年、40年、物流業界がどうなるか、私には見えないですね。このまま陸上輸送があるのかどうか。トラックが無人で走るというのは技術的には実現できるけど、今はまだ安全が担保されない。ここ数十年でもかなりのスピードで考えられなかったことが実現されているし、この先はヘリコプターで荷物を運んでいるかもしれないよね。真剣にヘリコプター1台いくらかかるのか調べたことありますし(笑)

西口:日本の物流はトラックの需要がこの先も多くなってくるし、1時間単位で納品するようなシステムは物流会社がきめ細かなサービスを提供しているからできること。遠州トラックさんのようにトラック輸送業と倉庫業を運営し、収益のバランスを平準化させていくというのは重要な戦略ですね。

澤田:そうですね。事業の構成としてはトラック部門7割、倉庫部門3割が理想です。現在130棟ほどの倉庫を管理していますが、今は輸送の需要が増えてきてバランスはトラック8割、倉庫2割くらいになっていますね。もう少し倉庫部門があってもいいんじゃないかと考えているんです。輸送はどうしても波があります。ドライバーの雇用問題もあって稼働率が低下したり、貨物が多かったり少なかったり。なので倉庫業で安定的な利益を出していき、事業構成をバランスよく持って行きたいと考えて、来年以降に大きな倉庫を建てようと計画しています。思い切った投資をして倉庫業3割をキープする。これが、この先10年の構想ですね。保管貨物という安定的な利益を確保するために、後世にもう少し施設を残してあげたいなと考えています。

日本WeP流通株式会社 代表取締役社長 安田 修 氏前のページ

遠州トラック株式会社堀内 邦保氏次のページ

カテゴリー

月刊トラックランド本誌の定期購読ご希望の方はこちら
月刊トラックランド本誌バックナンバー
働くクルマの総合サイトトラックランド
PAGE TOP